札幌大学では、地域に開かれた大学を目指し、教育研究上の成果を広く地域住民の方々に還元することを目的に公開講座を開設しています。
英語では、名詞を「数えられる名詞」と「数えられない名詞」に区別することが大事です。数えられる名詞である"banana"と数えられない名詞の"milk"の違いは何でしょう?次に、鳥として見ている"chicken"は可算名詞なのに、鶏肉として見ている"chicken"が不可算名詞なのはなぜでしょう?さらに、食事を表す名詞でも、"meal"は数えられるのに、
"breakfast"は数えられないのはなぜ? "time"や"history"が可算になったり、不可算になったりするのはどうして?この講座では、小学校から大学まで十数年間かけて教わる内容を体系化し、可算と不可算の違いへの「気付き」と、それを区別する「ルール説明」を繰り返しながら、色々な「なぜ?」を解決するための英語的発想を示し、段階的に理解を深めていきます。
日本と朝鮮半島の近現代史は複雑です。日本は朝鮮を植民地とし、朝鮮は解放後に南北二つの国家に分断されました。解決し難い歴史的問題を孕みながら日韓関係、日朝関係は今も推移しています。本講座ではこうした日本と朝鮮の複雑な歴史を、あるスポーツ選手に着目し、彼のライフヒストリーを紐解きながら理解していきます。スポーツの英雄が国家、権力、民族のなかでどのように扱われ、英雄自身もその時空間をどのように生きたのか。スポーツの英雄の「生」と「死」から日本と朝鮮の関係史を見てみましょう。
中国の清末、日本の明治初年に中国から公使を始めとした外交使節団を日本に派遣されました。公使は進士及第の何如璋で、書記官は挙人に合格した黄遵憲でした。当時の中国には外交のことを専門とした職業外交官はいなくて、外交官は科挙試験に合格した文化人から選抜されました。彼らは駐在国日本の文化を研究し理解を深めることによって外交活動を円滑に展開しようとしていました。本講義は書記官黄遵憲の「賛美としての日本論」を考察し、かれの目的意識及び異文化コミュニケーション効果を探ってみたいと思います。
私たちは運動をする際、ウォーミングアップ(準備運動)を行います。ウォーミングアップアップで筋肉を温め、運動に適した筋温にすることによって、怪我のリスクを減らすとともに、よりパフォーマンスを発揮しやすい状態にしています。しかし、全身が均等に温まっていくわけではなく、身体の中心部に比べ抹消部は温まるのに時間がかかります。特に寒冷環境においては、手足などの抹消部への冷えの影響は大きいことが考えられます。そこで、今回は、抹消部の冷えと運動パフォーマンスに与える影響について(バスケットのシュートを題材にして)、そして抹消部を温めるという観点から、軽運動(グーパー運動)が抹消部の温めに与える影響について考えます。
無数にも見える世界の言語には類型(パターン)があり、強弱のリズムが語順などの特徴を決めているという私の研究について、お話します。世界にはいくつの言語があるのか、動詞-目的語(drink tea)あるいは目的語−動詞(お茶を飲む)などの語順は世界でどのように分布しているのか、そして単語の強弱パターンは言語でどのように違うのか、これらをカラフルな言語の世界地図で示し、語順と強勢リズムが相関していることを述べ、なぜ語順とリズムが関係しているのかを説明します。
千島(「北方4島」を含む)には、先史時代から人びとが住んでいました。しかし、それらを詳しくまとめた「千島通史」はありませんでした。千島の歴史を長年研究してきた私は、2021年に『千島通史の研究』を出版しました。この本では史料を多く使い、人びとの営みや、その場所を彷彿できるように心がけました。また、図表などで本文を補っています。今回の公開講座では、この本の内容の一部をご紹介いたします。まず先史時代の遺跡の場所を一覧し、江戸時代に作成された地図を見てみます。さらに、そこに住んでいたアイヌの人々や、日本とロシアの進出の歴史も詳しく説明し、近代の集落や産業の情況も解説します。
第三回
アラン・ボゼア
For many English learners, writing an essay in English is not an easy task. However, writing is an important skill that many English learners need to hone. While there are many key elements to good writing, such as clear grammar and the use of appropriate vocabulary, one of the most important elements is its structure. In this presentation, I will introduce a unique method I have developed called the "Labeling System" to help students write clear and well-organized opinion paragraphs in English. I will also compare the Labeling System to common methods of composition, and argue that the Labeling System is often easier, faster, and more practical for students.
多くの英語学習者にとって、英語でエッセイを書くことは簡単なことではありません。しかし、書くことは、多くの英語学習者が磨かなければならない重要なスキルです。良い文章を書くためには、明確な文法や適切な語彙の使用など、多くの重要な要素がありますが、最も重要な要素の1つはその構成です。このプレゼンテーションでは、生徒が明確でよくまとまった英語のオピニオンパラグラフを書くのに役立つ、私が開発した「ラベリングシステム」というユニークな方法を紹介します。また、ラベリング・システムと一般的な構成法を比較し、ラベリング・システムの方が生徒にとって簡単で速く、より実用的である場合が多いことを主張します。
科学技術は日々進歩します。科学技術の進歩を支えるのがイノベーションです。世界で起きるイノベーションが人々の日常や生活を変化させます。そのイノベーションは自国で開発されたり,他国の技術を移転したものであったりします。世界の市場は日本とは異なり,多種多様です。日本のやり方や製品がそのまま通用しないこともあります。現地の市場で評価され,売れ行きに結び付く製品を開発するには市場に接する地域,市場に近い地域で研究開発する必要があります。日本の自動車産業もまさにこの状況に直面しており,アジア新興国に研究開発拠点を設立しています。先進国市場では新興国に先んじて研究開発拠点が設立されました。アジア新興国の研究開発拠点は何を期待されているのか,どんな形で技術移転されているのか,今回は自動車産業を事例に研究の近況をお話します。
過去の人々の営みを知るためには、様々な材料が存在します。公文書を含めた歴史資料はその一部です。歴史資料とそれを保管・整理し公開する文書館は、研究者のためだけに存在するのではなく、私たちのルーツを含め過去に関心を持つ方々のために開かれているという意味で、現在の私たちと過去の人々との対話のための貴重な手段と場の意味を持っています。この講座では、身近に存在するこれらの一部を紹介します。
札幌市公文書館HP
①http://www.city.sapporo.jp/kobunshokan/
②http://archives.city.sapporo.jp/