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ベルナルディーノ 『契約と高利について』 (初版 ストラスブルグ 1474年)Bernardinus Senensis. (Incipit tractatus) De contractibus et usuris.

 シエナのフランシスコ会修道士Bernardinus(1380‐1444)は、Thomas Aquinas(1225‐1274)、フィレンツェの大司教Antoninus Florentinus(1389‐1459)と並び、教会と初期資本主義の関係について言及した3大理論家の一人とされている。本書は、カトリック教会の商契約と高利貸についての教義を規定した最初の印刷物であるとともに、「Capital」という言葉がはじめて記述された書物としても知られている。本学蔵書中唯一のインキュナブラ(グーテンベルク以後1500年12月31日までに金属活字を用いて手引き印刷された、いわゆる「揺籃期本」)であり、雪嶋宏一編「本邦所在インキュナブラ目録」にも採録されている。伊藤義郎記念文庫蔵。 (森俊司)