教員著書あ・ら・か・る・と  著者からのコメント


『消費者と食料経済』

黒柳俊雄著(中央経済社 2000.6)

 本書で特に強調したかった点は@このまま地球の温暖化が進めば、21世紀中に世界的食料危機のおそれがある。A食料輸入国も自給力向上が必要。B日本は食料の適正備蓄、輸入先の分散、農業資材価格の引き下げ、食料過剰の間、付加価値の高い工業製品化を進め、不足した時に食料として消費、さらに減反をやめ、アジアの食料安全保障に貢献する。C日本の消費者は、食料の生産・流通・消費の実態をみつめ、健康によい日本型、コメ中心の食生活と安全で安定供給に対処できるよう国内生産者と協力し合うということです。自著『開発と自立の地域戦略』(中央経済社 1997年)も住民がイニシャチブをとり、消費者と企業・行政のネットワークで地域の発展を期すというもので、今回はその第2弾です。(2F開架 343.3−Ku78)


企業のネットワーク改革―多様な関係による生存と創造

小川正博著(同文館出版 2000.5)

 ネットワークという言葉が闊歩している。本書はネットワークとは何か,どんなネットワークが必要か,どのようにすればネットワークが有効性をもちうるのかなどを解明したものである。東京都大田区に代表される産業集積のネットワークからアウトソーシング,バーチャルコーポレーション,産学官連携,インターネットビジネス,そしてまちづくりや社会貢献,電子メールの輪,といった筆者のフィールドである中小企業の多様なネットワークを題材にしている。ネットワークという視点から,企業の行動を探ろうとした本である。(2F開架 335.35-O24)


中世村落の景観と生活−関東平野東部を中心として−

原田信男著(思文閣出版 1999.12)

 本書は、関東平野東部に存在した中世村落の景観を類型化した第1部と、そこで展開される生活の諸相を論述した第2部とからなる。これまでの研究では、偶然に史料の残る地域の事例を一般化する傾向が強かったが、本書では、関東平野に地域を設定して、そこに展開する多様な中世村落の在り方を、具体的かつ巨視的に検討するという方法が採られている。村落景観は地形条件に大きく制約され、そこに発生する地域権力の性格とも関連することを指摘した。また、そこで営まれる生活や宗教の在り方にさえも、村落景観の問題が大きな影響を与えていることを明かにした。(2F書庫 210.4-H32)