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“オンリーワン”育成へ

清水 隆 教授
清水 隆 教授
文化学部比較文化学科


 '97年度に開設された文化学部(日本語・日本文化学科、比較文化学科)は来春、初めて卒業生を社会に送り出します。“文化”をキーワードに多様なカリキュラムを展開する文化学部の理念と次年度への展望、また、4年生の就職状況を伺いました。

――「文化学部」というのは、ちょっと聞き慣れない学部名ですね。

清水全国の大学をみても、「文化学部」という名称はほとんどありません。一般的には“○○文化学部”と対象を限定しています。一方、本学の文化学部では身のまわりのあらゆる事物や現象が文化という視点からの研究対象になると位置づけ、各学生が主体的に考察、体系化を行っています。とくに、諸外国の文化を理解するための“語学力”と“情報”をいかに自分のものにするかを重要な理念としています。

――学部開設から間もなく丸4年。振り返ってみていかがですか?

清水当初は指導する側にも若干の混乱はありましたが、文化というものを自分なりに解釈し、オリジナリティあふれる研究を独自に進める学生が増えています。ある留学生は、経済を文化という視点から捉えた論文が学外で表彰を受けるなど、本学部の認知度自体も徐々に上がってきました。ただ、文化、あるいは文化学という、研究のベースとなる定義を咀嚼しきれない学生がいることも確かで、これをいかに浸透させるかが今後の課題です。

――多様な研究が可能、とのことですが、卒業後の進路は?

清水学生の就職希望先として多いのはマスメディアを筆頭に、旅行会社、生命保険会社、それに大型スーパーなどの消費関連企業など、こちらも多様ですが(笑)、正直いってなかなか厳しい環境にあるのが現実です。

――“就職難”の影響ですか?

清水ええ。ただ、企業側の採用基準が徐々に様変わりしていて、学生の個性や独創性を重視する傾向があります。新しい風を吹き込んでくれる、そんな学生が求められています。早々に、大手旅行代理店に就職が決まった学生が数人いますが、いずれも確かに個性的、というかちょっと変わっている(笑)。学生一人ひとりの個人的な資質を伸ばせるような仕組みづくりの重要性を痛感しています。

――就職活動のバックアップ体制は?

清水新学部を軌道に乗せることに精力を傾注するあまり、就職の支援体制が万全でなかった点は否めません。その反省に立って、今後新たな体制を構築していきます。就職指導として、1・2年生を対象とした就職のためのゼミ「プレゼミナール」の開講を来年度から考えています。また、文化学部独自の「就職講座」の開催や、企業の職務経験者(定年退職者など)が学生の相談に応じる「キャリアカウンセラー制度」も検討中です。また、札幌大学全体としても、エクステンションセンターの設置に向けて、前向きに取り組み始めました。

――学生への情報提供を充実させることですね。

清水さらに、学生一人ひとりの「就職カルテ」をつくり、ゼミの教授が各学生の希望や就職活動の内容を把握して父母との連絡にも利用するといったシステムや、就職の際に武器になる資格取得の推進、ほかに、就職とは別の選択肢として海外の提携校を中心とした留学案内を強化するなどの支援体制を順次、整えていきます。海外の企業とコネクションを設け、卒業生の活躍の場を世界に広げるという構想ももっています。

――幅広い内容ですね。

清水社会構造が変化するなか、複眼的なバックアップが必要になると考えています。しかし、最終的に必要となるのは、大学時代の思考の痕跡です。文化学部では、興味をもった事象を追及し、それぞれの学生が何かの“オンリーワン”となれるような、自由な研究環境を目指しています。

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