教員著書あ・ら・か・る・と  著者からのコメント


『D.H.ロレンスの小説−シンボル、神話、時間』

豊国孝著(共同文化社発行 2001.3)

 本書は、著者が30年間に発表した論文をまとめたものである。特に、シンボリズムという視点から、20世紀の代表的小説家ロレンスの小説におけるイメージ、神話を詳細に分析した。更に、ロレンスの作品における時間に関して分析した著書、論文はほとんどないが、本書はかれの小説における時間の問題もとりあつかっている。10編の小説と3編の短編小説についての作品論を展開した本書は、ロレンス文学研究の集大成といってもよい。(930.28-L43)


『蝦夷地と琉球』

桑原真人・我部政男編(吉川弘文館, 2001.6)

 本書は、19世紀後半に「世界史の中の東アジアの一地域」として始まった「日本の近代」を,戦後の研究史の中から再検討してみようとの趣旨で刊行されている『幕末維新論集』全12巻の中の第9巻である。本書で私は蝦夷地の部分を担当したが,掲載論文の選定・解説と論文目録の作成を行いながら,開拓使時代研究の重要性を再認識させられた。道立文書館の所蔵する莫大な量の開拓使文書が、その為の導きの糸であることは言うまでもない。
(幕末維新論集9 210.58-B15-9)


ブラジルサッカー総覧

柴田勗著(河出書房新社 2001.3)

 1973年、本学にブラジル人留学生が入学したのが切っ掛けでブラジルのサッカーに関する研究を始め、以来、12回の渡伯をほぼブラジルのサッカー現場ことばの蒐集に費やしてきた。この蒐集活動を通してのブラジルのサッカー文化の知見やテクニカル・ターム(専門用語)について集成したものが本書である。
 本書出版の時期を、来る2002年FIFAワールドカップの開催に合せ、ブラジル代表チームの日本側の歓待用文献として役立つことを願っている。
(783.47-Sh18)